人間が知覚機能を通じて外界から受け取る情報量は、視覚が最も多く83%、次いで聴覚が11%で、残りは嗅覚3.5%、味覚1.5%、触覚1%だと言われています。
そして、視覚から入った情報は人々の行動や、価値判断に多分に影響することも分かっています。
しかし、ものや情報が溢れる現代、人がひとつひとつの情報に目を向けるのはほんの一瞬。0.2秒程度と言われるほど短いのです。
この0.2秒で伝える力が、すなわちマーケットで自社の商品・サービスを知らせる力であり、一瞬で伝わる力をつけることは顧客接点の強化とも言えるのです。
そして、一瞬を制するために重要なのが、デザインの力です。
一般的には、デザインとは色・形や体裁を整えること、美しくまとめることだと思われています。
しかし、商業デザインの場合は美しいだけでなく、コストパフォーマンスが高い必要があります。
商品の持つストーリーやターゲット、市場動向などの、
戦略とマーケティングを背景にしたヴィジュアル、
それがデザインであると、わたしたちは考えています。
顧客と商品や広告の関係は左図のようになっています。
顧客は必ずデザインを通して商品や広告の中身にアクセスします。
つまり、デザインのよしあしが、
情報へのアクセスのしやすさ=伝わりやすさ
を大きく左右するのです。
もちろん内容(情報)も大切です。
貴社や貴社の製品の素晴らしさを伝えるために、どのようなメッセージが必要なのか?
それを引き出していくのもわたしたちの大切な仕事の一つです。
そして、情報へアクセスしやすくなると、会社から発するメッセージも自然と強くなります。
引き出したメッセージを、アクセスしやすいデザインで表現することで、メッセージがよりパワフルに伝わるようになるのです。
つまり、わたしたちの提唱する「一瞬を制するデザイン」とは、
・美しい見た目
・情報へのアクセスのしやすさ
・強いメッセージ
これらを兼ね備えたデザインです。
「一瞬を制するデザイン」は、活用することで顧客接点の強化や社内の意識変革が実現でき、会社も人もどんどん成長できる成長スパイラルに向かうことができます。
多くのデザイン会社は、この「美しい見た目」を充実させるのは得意ですが、見た目を重視しすぎるあまり「情報へのアクセスのしやすさ」がおろそかになったり、お客様から頂いた商品やサービスの情報を並べるだけで「強いメッセージ」が入っていないパンフレットをつくったりしてしまいます。
わたしたちはこれを「デザイン損失」と呼んでいます。
デザイン損失を防ぎ、デザインを活用して成長するためには、どうすればいいのでしょうか?